ビッグコミックスペリオール2020年20号掲載の夏目アラタの結婚30話のネタバレです。文字のみですが、ネタバレを見たくない方はご注意下さい。
夏目アラタの結婚30話のネタバレ
真珠の証言
父を殺すために、病院から薬を盗み出したことを証言する真珠。
しかし、裁判長には出会ったばかりのホームレスを父と思い殺害を計画するなど、唐突すぎる気がします。
そんな裁判長に、真珠は母から聞いていた話を伝えます。
父と母は高校の同級生。妊娠を機に上京しますが、真珠が生まれてすぐに別れてしまいます。
父の名前は「三島正吾」。
病院の入院記録には、真珠と三島正吾が出会った記録が残っているようです。
そして、三島省吾が自分と母を写っている写真を持っていたことを打ち明ける真珠。
そして、三島正吾は暮らそうと真珠を誘います。
「いいだろ?」
「な」
「いいだろ真珠!?」
「オレの真珠ーーー!!」
その時のことを思い出し、身体を掻きむしるように震える真珠。
しかし、そんな真珠の姿を見ても、これまで真珠を見てきたアラタには全てが真実でないことが分かります。
ただ、どこまでが本当なのかはアラタにすら分かりません。
さらなる証言
それから、三島正吾は真珠が付き合っている人が自分と同じくらいの歳だと分かると・・・
「・・・だったら!!」
「・・・オレでも」
「いいんじゃないか・・・・」
そう言って、真珠の身体に迫ってきます。
その時のことを思い出し、顔が真っ青になる真珠。
それで、父を殺そうとしますが、真珠はあることに気づきます。
自分が好きになる人は30代半ばで、頭がよくてお金があって、優しくて、真珠は自分が理想の父を好きな人に重ねていることを察します。
ホームレスの父と理想の父親を比較していることは、父にも分かっているようで、自分もずっとみじめだった真珠は何だか父が可愛そうになってきます。
盗んだ薬は結局使わずに押入れの中へ。
それから、今日死のう、夜になったら死のう、朝起きたら死のう、そんなことばかり考えるように。
「あ~~~~~」
「早く死にて」
「死にて」死にて」死にて」死にて」
苦しそうに絶叫する真珠。
そんな真珠の声を聞き、アラタは自分が知っている真珠の声だと感じます。
死刑
それまで苦しそうにうずくまっていた真珠が、突然スッと立ち上がります。
「・・・私ィ」
「別に・・・」
「死刑でいいです」
急に晴れ晴れとした表情で、裁判長にそう告げる真珠。
父をかばうつもりが結局すべて喋っていまい、自分は誰の役にも立たない駄目な人間だと悟ってしまったようです。
裁判長は、真珠が前回の法廷で夫に勇気をもらった言っていたことを持ち出しますが・・・
「離婚届を贈りました」
「・・・もう夫婦じゃないんです」
「今日ここにも来てないと思います」
真珠は寂しそうにそう答えます。
そんな真珠に向かって「ゴホン」「ゴホン」と、自分の存在をアピールするかのように咳払いするアラタ。
裁判長に注意されますが、アラタは咳払いをやめません。
すると、それまで一度も自分の方を見なかった真珠が振り向き、アラタを見つけると驚いたように笑顔を浮かべます。
そんな二人の様子を、傍聴席の人や裁判長までもが微笑ましそうに見つめます。
(ちょ)
(何?)
(この反応!!)
(真珠劇場にうまく使われた!!)
思わぬ展開に慌てふためくアラタ。
一方、裁判長は笑みを浮かべながらサラサラとノートに何かを書き記します。
しかし、そのノートには・・・
「演技力」「怪物」
と、記されています。
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