ベツコミ2016年7月号の青楼オペラ29話の感想です♪
29話はおそらくコミック7巻に収録されると思います。
青楼オペラ7巻29話のあらすじ【ネタバレ注意】
茜
「取り返しのつかないことになる前に考えてください」
「別の道もあるのだと」
この前、利一に言われたことを思い出す茜。
(別の道)
(若旦那に添うという道)
(あの人の強くて温かい手の)
(誘惑に必死に抗っていたけど)
(利一郎に)
(亡くなった人たちに許されるというなら)
(それなら・・・)
茜がその誘惑と葛藤していると、ちょうど近江屋の番頭さんが茜を訊ねてきます。
「若旦那がこちらにおられないというのは真ですか?」
「え」
変なことを聞かれて、茜は戸惑ってしまいます。しかし、言われてみればここ数日、若旦那からは文すらないことに気づきます。
番頭さんは、3日前に若旦那と一緒に勘定奉行の出かけた時のことを説明。そして、その帰り道で分かれて以来、一行に若旦那が戻ってこないとのこと。
(中村の?)
若旦那が出奔する理由などあるはずもなく、番頭さんは頭を抱えます。
「ああ・・・しかし」
「思い返せば若旦那の後を」
「妙な身なりの男が追って行ったような・・・」
ドクンと茜の胸が高鳴ります。
番頭さんに、その男の身なりを訊ねると真木村にソックリ。
(真木村先生だ・・・!)
(やはり先生は敵方の刺客で・・・)
(こうなることが怖くて)
(若旦那と別れようとしたのに・・・!)
神社
番頭さんが帰ると、茜は神社へ。ガクガクと震えながら、いつまでも神頼みをします。
(どうすれば)
(よかったというの)
(別れを告げても戻ってきたあの人を)
(受け入れたのが間違いだったの)
(それとも)
(こんなことになる前に)
(一緒になる道を選んでおけばよかったの?)
茜が絶望に暮れていると、そこへ何食わぬ顔で真木村がやってきます。
「神頼みしたいことでもあったのか」
怒りを必死に堪える茜。そんな茜に、真木村は堀の側で拾ったという脇差しを手渡します。
(これ・・・)
(若旦那の脇差・・・!)
(刃こぼれしてる・・・)
(若旦那は)
(たったこれだけを手に)
無残にも若旦那が切り捨てられる姿を想像し、茜は血の気が引いていきます。
「ああ」
「いかんな」
「今にも気を失いそうだ」
「早く帰って”おとなくし”していないさい」
「ゆめゆめその持ち主の二の舞にならぬように」
そう言い残し、真木村は帰っていきます。
真木村が去ってからも、じっと脇差しを見つめつづける茜。しかし、フトあることに気づきます。
(ない・・・)
(あれが)
(ない)
茜はあわてて真木村を追いかけ、脇差しと一緒に何か落ちていなかったか訊ねます。
しかし、何もなかったという真木村。それを聞いた途端、茜の目に力が戻ります。
「先生ほんに」
「ありがとうござんした」
「わっちはこれを抱いて」
「あのお人の帰りを待とうと思いんす」
茜はお礼を言うと、力強い足取りで帰っていきます。
(あの人は生きている)
(必ず私の元へ帰ってくる)
数日後
「近江屋の番頭度のを通じて頼まれた件」
「調べがついたぞ」
この日、事前に茜が頼んでいたことについて、お役人さんがやってきます。茜は若旦那が預かったという白磁について調査を依頼していたようです。
「先日何らかのお塔婆目を受けて罷免された」
「勘定吟味方のお役人がいのだが」
「その代わりに登用されたのが」
「それの出処だ」
つまり白磁は取り立てもらうための貢物だったようです。
その話を聞いてジッと考え込む茜。
「・・・・・・そのお役人に近づきとうござんすね」
「花瓶の送り主にですか?」
利一に聞き返されると、茜はニッコリと微笑みを浮かべます。
「いえ」
「罷免されたほうの方に」
夜
「茜さん」
「これ茜さんにって」
「えっ」
夜、禿が菓子折りを持って、茜のところへやってきます。ほっかむりした上背のある人に頼まれたとのこと。
(若旦那!?)
お菓子を禿にあげると、茜は急いで外へと駆け出します。
(若旦那が戻ってきたの?)
(どこ・・・?)
「若・・・っ」
茜はは闇の中にそれらしき人物を見つけ、近づいていきますが、そこにいたのは真木村。
茜が怪訝な顔をしていると・・・
「あの菓子には毒が盛ってある」
「・・・な」
真木村の言葉に、茜は真っ青に。
真木村は、解毒剤と引き換えに、茜の仲間の名前と目的を白状するよう脅します。
(こんなとこで倒れるわけにはいかない)
(きっと帰ってくるあの人を)
(私は笑って出迎えるの・・・)
茜は禿達に菓子を吐かせるため、急いで楼へ戻ろうとしますが、アッサリと真木村に捕まってしまいます。
そして、真木村が刀に手をかけた瞬間・・・
ゴッ
ドッ
真木村は誰かに殴り飛ばされます。
殴り飛ばした人物をキッと睨みつける茜。
「ちぇ」
「しゃんとしやがって」
そこにいたのは若旦那。茜は若旦那の胸に飛び込むと、我慢していた涙がドッと溢れてきます。
「いい女だぜ」
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