花とゆめ2017年18号のそれでも世界は美しい98話のあらすじと感想です♪
98話はおそらくコミック18巻に収録されると思います。
それでも世界は美しい18巻98話のあらすじ【ネタバレ注意】
リビとアル
小高い丘の上からリビを見下ろすアル。一方、アルを見たリビは怒りに震えます。
「アル!」
「お前がこれを操ってんなら今すぐ止めてニケを戻せ!」
「お前がまた奸言を吐いて裏で糸を引いたんだろう」
「シーラの時のように・・・っ」
「オレはお前を許さない」
「降りてこいっ」
「降りてこないならオレが行く」
今にもアルに向かって飛びかかろうとするリビを、ニールが必死に押さえます。そんなリビを見て、アルは目を丸くします。
「・・・お前」
「本当にリヴィウスか?」
「そんな風にまともに怒ったり喚いたり」
「お前ってそんなだっけ?」
「何だか生きてる人間みたいで」
「気味悪い」
アルは虫けらでも見るような目で、リビを見つめます。
「私達も困っていたんだよ」
「解放した力が強すぎて北に出る道に出られなくなってしまって」
「仕方ないから一旦姫を止めようと来たんだけど」
「どうも手遅れみたいだ」
言葉とは裏腹に、アルはどうでもよさそうな様子。自分の身も危ないというのに、全く危機感も見られません。
その時、リビはあることに気づきます。
「今」
「姫を止めようとって言ったよな」
「お前」
「ニケを止める方法を知ってるのか?」
「知ってんだな!」
「しまった口が滑った」
「と言ってもスイッチみたいに状況をひっくり返せるわけじゃないよ」
「いざという時の為に用意したこれがあるってだけだし」
アルは胸元から何かを取り出すと、リビに投げて渡します。
「これは」
「黒曜石・・・?」
「それがあれば姫はたぶん止められるだろうね」
「ただ」
「姫まで辿り着けたらの話だけど」
そう言って、アルは再び森の方へと歩いていきます。
「また会える日を楽しみにしてるよ」
「リヴィウス」
「ここでお前が南世界を救えたらね」
ニケ
暗闇の中、意識を取り戻すニケ。
「え・・・?」
「あっ」
「あれ!?」
「なんで私こんなにちっちゃく・・・」
気がつくと、なぜかニケは子供のように小さな体になっています。さらに、どこからともなく自分の歌を歌声が聞こえてきます。
ニケがあたりを見渡すと、近くにニケそっくりの女性が。
「私・・・だけど」
「私じゃない」
「誰?」
不思議に思ったニケが女性が近づくと、ギュッと誰かに背中を掴まれます。
振り返ると、これまたネフェロそっくりな子供が立っています。男の子は言葉はしゃべれないようですが、女の方へ行ってはいけないと言おうとしているのが伝わってきます。
「わっ」
その時、黒い霧がニケの襲いかかります。どうにか霧から逃れると、その男の子がニケの手を引っ張り、逃げて行きます。
ニケは逃げながら、今あの女に自分の体も意識も乗っ取られていることを理解します。
(多分この子供の私が捕まったら)
(全部あいつに吸収されちゃうんだ・・・)
なんとなく状況は分かったものの、どこまで逃げればよいのかニケが迷っていると、男の子がどこかを指差します。そこには、暗闇に浮かぶ小さなな光が。
光を覗くと、必死に木の枝を振り回すリビの姿が写っています。
「リっリビだっ」
「何で・・・」
「リビもしかして・・・」
「近くまで来てくれてるのか・・・」
どうやら男の子はリビが来るまで、女から逃げるよう伝えているようです。
今度はニケが男の子の手をギュッと握りしめ、再び二人は走り出します。
「大丈夫リビが来てくれるって分かったから」
「私がんばれるよ」
「絶対逃げ延びて」
「リビに会うんだ」
塔付近
その頃、塔に近づこうとするものの、黒い霧に阻まれ苦戦中のリビ達。
「きゃああっ」
マキシーンが黒い霧に足を取られ、霧の中へ引きずり込まれていきます。とっさにニールがマキシーンを救い出し無事だったものの、この霧の中にいるとドンドン力を吸われていくのを感じます。
(ここまでなのか)
(せっかく)
(ニケを救う方法が出来たってのに・・・っ)
(あそこに)
(あの塔にさえたどり着ければ)
リビが絶望しかかったその時・・・
「全軍突入準備」
「突入し太陽王をお助けしろ」
後ろから、かけ声が聞こえてきます。振り返るとそこには大公国軍の兵士たちの姿が。
兵士たちは、霧に向かって駆け出すと、必死に剣を振り回します。すると、兵士たちが剣を振るう度、ドンドン霧が晴れていきます。
「数に任せた大雑把なやり方だが」
「今はこれが有効みたいだな」
「悪いね」
「こちとら田舎者なもんでね」
「スマートなやり方なんて思いつきもしないんだよ」
感心しているリビ達のもとへ、男が歩み寄ってきます。
「ネフェロ・・・」
「ネフェロ大公・・・っ」
男の顔を見て、驚きの声を上げるガルタ。歩いてきたのは何とネフェロ。
(こいつが・・・)
(こいつがニケを・・・っ)
リビは無言でネフェロを睨みつけます。
リビとネフェロ
ネフェロはマキシーンの方へ歩いていくと、霧に力を吸われて倒れているマキシーンを抱きかかえます。
「平気よ」
「その人と皆が助けてくれたの」
「ネフェロ様」
「私」
「今だけなら怒りを忘れられそう」
「だからネフェロ様も今は感情を抑えて」
「わかってる安心しろ」
そこへ兵士が報告に来ます。どうやら塔までの道を確保できたようです。報告を聞いたネフェロは、塔に向かって歩き出します。
「待て!」
「兵で霧は晴らせてもニケは止められない」
「でもオレならニケを止める方法がある」
「だからオレも連れていけ」
ネフェロに向かって怒鳴るリビ。そして、ニールが前にもリビが暴走したニケを止めたことを説明しますが、ネフェロはリビ達の同行を拒否します。
「信用出来ない人間なんか連れてけねぇって言ってんだよ」
「怒りにまかせ後ろから切りつけられたくねぇからな」
その時、突然リビが剣を抜きネフェロに向かって振りかぶります。
「陛下!?」
リビがネフェロの後ろに向かって剣を振り下ろすと、そこには黒い霧が。いつの間にか、また霧が迫ってきたようです。
「あんまりオレを低く見てんじゃねぇよ」
「オレはニケを救うって目的の為なら」
「手段なんか選ばねぇんだよ」
「たとえ殺したいほど憎い相手でもな」
「手を組みくらいわけないんだよ」
「オレもマキシーンと一緒だ」
「今だけなら怒りを忘れてやる」
「上等だ」
「覚悟はわかった」
「ついてこい」
2人は塔へ向かってあるき出します。
その頃、暗闇の中、必死に女から逃げ惑っているニケ。しかし、男の子が霧に足を取られ倒れてしまいます。
「やっとみつけ・・・た」
「姫のさいご・・・の」
「意識のかけら」
「さあ・・・」
「ちょうだい・・・」
ニケが振り返ると、嬉しそうに笑う女の姿が。
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